何故、ご詠歌=『帰命頂礼』なのか?

ご詠歌というと「帰命頂礼」と連想される人が多くおられるようですが、 何故、 ご詠歌=帰命頂礼 なのかを考えてみますと、私なりの結論は 『和讃の節でご詠歌を唱えたいと思った場合に「帰命頂礼」が必要となるから』という推論になりました。

ご詠歌は和歌の形式ですから字数は 5,7,5,7,7 の31文字と決まっています。
一方、和讃は7,5の七五調の繰り返しで、字数の制限はありません。また、和讃の節は殆どが7,5の2回または4回を一節として同じ節を繰り返します。

ここで、この和讃の節にご詠歌を当てはめて唱えたいと思った場合に 和讃の 7,5,7,5,7,5,7,5 の先頭の7を取れば 5,7,5,7,5になり、殆どご詠歌の字数の様になりますが、先頭の7文字分の節は省略する事ができませんので、先頭の7文字のところに「帰命頂礼」(7文字分)を挿入してそのあとにご詠歌の歌詞をあてはめると和讃の節でご詠歌を唱える事がほぼ可能となります。
    帰命頂礼 + ご詠歌
    (  7    ,  5,7,5,7,7  )

(注: 5,7,5,7,7の最後の7は和讃では5文字分の節ですが、音の長さは十分余裕(8文字分)がありますので、7文字を5文字分の節に収める事が可能です。)
(注: 帰命頂礼+ご詠歌 のあとに「南無大師遍照尊」などが追加されている事がありますが、これも和讃の節にご詠歌をうまく当てはめる為のものと思われます。)

なお、7文字の部分も 4文字+3文字(例:たかのの やまの) または 3文字+4文字(例:むすぶ いおりに) のどちらかと思われますが、音の長さとしては4文字+4文字分の長さが十分ありますので、(たかのの や-まの)や(むすぶ- いおりに)と4文字の長さに伸ばして詠います。



TOPページへ戻る